インフレの問題
2月23日・24日の両日にデリーで労働者を中心とした大規模なデモが行われました。
高騰している食料問題と一連の汚職問題の対応に抗議してのデモで延べ約6万人が参加と報じられています。止まらない食料品の値上がりへの抗議が主で、今回の高騰で一番被害を蒙る貧困層への低価格で配給する仕組みや売り惜しみ、投機への取締りの強化などを要求しています。今後の原油価格の動きによっては世界的に更なる食料品の高騰が予想されます。インドに限らず世界的に貧困層への対応を間違えると今の中近東や北アフリカと同じ状況に陥る可能性も秘めています。
経済計画の策定を担当する計画委員会のアルン・マイラ委員はインド国際工作機械協会(IMTMA)が主催の第15回金属切削工具見本市(IMTEX 2011)でインド経済の屋台骨である製造業の高成長率を維持するためには今後15年間で約1億人分の雇用を創出するべきだと述べたとIANS通信が報じています。また、エコノミック・タイムズ紙ではインドの航空機の保守・整備・修理(MRO)サービスの航空機整備産業が2020年までに3倍に成長すると報じています。中間所得層が増加しており、将来の成長が期待できる話題も多く語られていますが、一方で仕事につけない若い世代も多く、先日はウッタルプラデシュ州で行われたインド・チベット国境警察(Indo-Tibetan Border Police、ITBP)の採用説明会に10万人もの求職者が殺到したり、治安の悪化が伝えられる中近東やリビアなどへ仕事を求めて出稼ぎに行っている人達も多数います。
ムンバイにリライアンス・インダストリーズの会長で世界有数の富豪、ムケシュ・アンバニ氏の27階建て高層ビルの自宅が完成しました。総工費は推定10億ドル(約830億円)と言われています。コルカタの地下鉄では1988年以来で208件の飛び込み自殺やホームからの転落事故が発生しており、防止するのが目的で2011年中に各駅のホームにスクリーンドアを設置する計画をしているとタイムズ・オブ・インディア紙が1月5日付で報じています。日本ほどではないにしても人身事故が増えているようです。
成長により富を得ている一部の富豪、仕事を求めて出稼ぎへ行く大多数のインド人。現状のインドは庶民に取っては暮しにくい状況となっています。インド経済の基盤とされる農業産業の整備と育成、流通分野の整備、教育における識字力の向上など生活インフラの整備の遅れが今回のインフレに対応出来ない状況を造り出しているように思われます。今後、中央政府が貧富の格差をどう改善するのか気になるところ。
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